英語では、「〜しなければいけない」というルールや義務の表現方法がいくつもあります。
学校では、細かいニュアンスまでは教えてもらえないですよね。
とりあえず「〜しなければならない」で覚えさせられたけど、どんな時にどれを使ったらいいのか迷う人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、’must’, ‘have to’, ‘need to’, ‘shall’, ‘may’の違いと使い分け方についてご説明します!
‘Must’の使い方
‘Must’は強い義務感や強い推測を表す表現で、みなさんご存知の通り「〜しなければならない(〜する以外に選択肢はない) / 〜に違いない」という意味で、ルールや指示を記載する時に使われます。
‘Must’では、過去・遠い未来を表現することができません。
また、’Must’を使って疑問文を作る事も可能ですが(例: Must I go home? 等)、実際に’Must’を使って質問を投げかけてくる人はあまり見かけません。
◼️肯定文の例
- You must take off your shoes when you go in someone’s house in Japan.
「日本で誰かの家に入るときは、靴を脱がなければいけません。」
- I must finish this work before summer vacation.
「夏休み前にこの仕事を終わらせなければならない。」
◼️否定文の例
- Jon, you must not tell anybody.
「ジョン、絶対誰にも言わないでね。」
- Students must not use cell phones in class.
「生徒が授業中に携帯電話を使用する事は禁止されています。」
‘Have to’の使い方
‘Have to’は、肯定系では’Must’とほとんど同じですが、否定形では’Mustn’t’とは違った意味になります。
また、’Have to’は、’Must’とは違い、過去・現在・未来を表現する事ができますし、疑問文でも多様されますので、“Must”よりも便利でよく使われる表現です。
◼️肯定文の例
<現在形>
- He has to drive 2 hours to get to work everyday.
「彼は仕事に行くのに、毎日2時間運転しなければなりません。」
- I have to email the customer before I ship products.
「私は製品を発送する前にお客様にメールを送らなければなりません。」
<未来形>
- You’ll have to study hard if you want to speak English fluently.
「英語を流暢に話せるようになりたいのなら、一生懸命勉強しなければなりません。」
- Will they have to register for attending the training beforehand?
「彼らがトレーニングに参加するために、事前に登録する必要がありますか?」
<過去形>
- She had to lose weight because a doctor told her to do so.
「医者の忠告により、彼女は減量しなければならなかった。」
- I had to submit the quotation within three days last week.
「先週、3日以内に見積を提出しなければならなかった。」
<過去分詞>
- I’ve had to attend a lot of meetings this week.
「今週は参加しなければならない会議がたくさんあります。」
- She’s had to leave early because she has another meeting.
「彼女は他の打合せがあるため、早く退席しなければなりません。」
◼️否定文の例
- You don’t have to bring anything.
「何も持ってこなくていいですよ。」
- You don’t have to tell Ann about this. I can tell her myself.
「アンにこの事について言う必要はありません。自分で彼女に伝えますから。」
このように、’mustn’t’だと「〜してはいけない」という絶対的な禁止の意味になりますが、’don’t have to’だと、「〜する必要はない/〜しなくてもいい(してもいい)」という、相手にその後の行動は任せる意味になります。
◼️疑問文の例
- Does he have to work tomorrow?
「彼は明日も働かなければならないのですか?」
- What do I have to do to get a good job?
「いい仕事に就くためには、何をする必要がありますか?」
‘Must’と’Have to’の使い分け
一般的に、’Must’も’Have to’も、肯定形ではどちらを使ってもいいと言われていますが、実は少しニュアンスに違いがあります。
自分の意思で「~しなければならない」と言いたい時は、’Must’を使います。
例:My grade is getting worse this year. I must study hard.
「今年は成績が下がってきたな。一生懸命勉強しないといけないな。」
それに対して、周囲の意見や外的要因、又は仕事や日々の生活の中での責任として「~しなければならない」を表現する時は、’Have to’を使います。
例:My teacher said my grade isn’t good and I have to stay 2 hour longer than usual in school.
「私の成績が良くないので、いつもよりも2時間長く居残りするように先生から言われた。」
‘Need to’の使い方
‘Need to’は、責任や義務を表現するよりも、ある時点で誰かにとって大事で必要だから「〜しなければいけない/する必要がある」と表現する時に使われます。
また、否定文の’don’t need to’は、例えば目標の大学に入学するための成績が十分なのに、心配しすぎている人に対して「成績いいっちゃけん、全然心配する必要ないやん!」と言いたい時など、誰かの想定外の事柄に対して使われます。
◼️肯定文の例
- She needs to go to Tokyo next week.
「彼女は来週、東京に行かなければならない。」
- We need to focus on the Olympic project this month.
「今月は、オリンピックプロジェクトに集中する必要がある。」
◼️否定文の例
- You don’t need to worry about your grade anymore. Your grade is good enough.
「あなたはもう成績について心配する必要はないですよ。あなたは十分優秀です。」
- I don’t need to work tomorrow!
「明日働かんでいいんやん!(働かないといけないかと思っていた。)」
‘Shall’の使い方
‘Shall’は、書類や公式な場面での義務を表現する時によく使われます。
◼️肯定文の例
- Both parties shall agree on all conditions before the service starts.
「本サービスを開始する前に、両社で全ての条件に合意する必要があります。」
- Employees shall provide a certificate for maternity leave.
「従業員は、産休に入る時は証明書を提出する必要があります。」
◼️否定文の例
- Engineers shall not maintain the machines without official training.
「技術者が公式トレーニングなしに、その機械を修理することは禁止されています。」
- ABC company shall not ship spare parts without notification.
「ABC社は、通知なしに予備品を発送する事はできません。」
‘May’の使い方
‘May’は、フォーマルな場面で何かを尋ねたり、許可をもらいたい時に使われます。
◼️例文
- May I come in?
「入っていいでしょうか?」
- You may have a seat here.
「よろしければここに座っていてください。」
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